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何故か今無性に懐かしむヴァニーナイツのリメイク版・ストーリー編3

前回に続き、リメイク版ヴァニーナイツの第1回「選ばれし神々の騎士」の続きである。
待たせてしまったが、いよいよ終盤である。

やがてありすが神社へとやってきた。鳥居の前に和幸が立ちすくんでいる。「和幸さん、どうした
んですか!?」「あっ、ありすちゃん! 助かったよ。あの怪物なんだけど、突然俺の方を見て墓
場など何だのとうるさいんだよ。何とかしてくれないかな?」「あれだけの怪物が和幸さんに気付
くなんて変だと思ったけど、やはり何かありそうね。分かったわ、和幸さんはここでじっとしてい
て。絶対にここを動いちゃダメよ。」そう言い残すとありすは鳥居をくぐって神社の中へと向かっ
て行った。
やがてあいりとあきらの2人も相次いで神社に到着。もちろん和幸には目もくれずであるが、当の
和幸は(おやっ、見慣れない2人だなぁ・・・。ありすちゃんの友達かな?)という認識しかしな
かった(あとで和幸がびっくりするとも知らずに、であるが・・・)。

神社の中。宮を背にした怪物は、突然の美少女の訪問に驚きを隠せなかった。「現れたわね、人類
を恐怖に陥れようとするデスジョッカーの悪魔怪人!」「だ、誰だ?」神社の怪物はどうやらデス
ジョッカーという組織の怪人らしい。なぜありすがそれを知っているのかは現時点では謎なのだが
・・・。やがて別の美少女の声がする。「人類の味方、神々に選ばれし我等騎士団が征伐する!」
それはあいりの声だった。「待っていたわ、騎士にたがわず格好は派手目の美少女とはこの事かも
ね!?」ありすが応えると「おいおい、それはないでしょうに。でもここまで来たからには後戻り
はしないわ。一歩ずつ前へ進むだけと思って戦うまでよ!」とあいりは自信たっぷりの様だ。そし
てもう1人の声。「天に代わって、いざ尋常に勝負!」最後に到着したあきらの口上は少々控えめ
だった。「遅い!せっかく決まったかなって思ったのに〜!」あいりが残念そうに言う。「まあま
あ、そう嘆かないの。そんな事よりそろそろいくわよ!」ありすの掛け声と共に、3人は手に小さ
な剣を持ち、それを天に向かって高くかかげた。剣から光が放たれる時、3人はこう唱える。「ナ
イト・アップ!」と。
やがて光は3人の全身を包み、怪人は一時視界を失った。次に怪人の視界が蘇った時、そこには仮
面を身に纏い、剣を手にした3人の騎士が立っていた。「愛と正義と自由の為に!」「神が選びし
正義の騎士団!」「我等は人類の味方、自由の騎士団!」「ヴァニー・ナイツ!」3人の口上に怪
人はタジタジだったが、やがて我を取り戻し「我が名は秘密結社・デスジョッカーの悪魔怪人・デ
スハイデル! 人類を恐怖に陥れんと我が秘法を使い住民を呪い殺そうと狙ったのに、あの青年の
おかげで一つも事を達し得ずとは・・・。こうなれば貴様らから地獄の底へ叩き潰してくれるわ!
いくぞ!」と言うとデスハイデルは3人に襲い掛かる。
「セーバーチャージャー・チャージアップ!」ありすがナイト・アップしたアリエス・ヴァニーが
こう叫ぶと、その手に持っている剣が光を放ちだした。アリエスの持つ剣・ヴァニーサーベルは、
柄にありすの誕生石であるアメジストがはめ込まれているが、それも光を受けてキラキラ輝いてい
る。光を一杯に溜め込んだヴァニーサーベルは、デスハイデルには白っぽく見えている。その光が
やがてデスハイデルの視界を徐々に奪っていく。
「喰らえっ!セイバーフラッシャー!」突然アリエスが光を溜め込んだヴァニーサーベルを敵に向
けて振り抜いた。サーベルから放たれた光がデスハイデルを襲う。「ギャーッ!」悲鳴を上げるデ
スハイデル。しかしさすがは悪魔怪人、それすら子供騙し扱いである。フラッシャーの光を浴びて
少し怯んだものの、ほぼノーダメージ。逆にエネルギーを吸収して動きを数倍にパワーアップさせ
てしまった。
「エモーショナル・サーチ!」動きが速くなったとなればこちらの出番とばかり、あいりがナイト
・アップしたラビエル・バニーが得意の瞬間移動を駆使して敵の動きを予測、瞬時に敵前で反撃を
試みる。ラビエルの持つ剣・クロスレイピアは2本1組の短剣だが、それを駆使して様々な技をこ
なす事が可能だ。「クロス・シューティング・ブーメラン!」ラビエルが敵の動きに追いついたと
ころで、2本のレイピアをクロスさせて敵へ投げつける。まるでブーメランの如く敵に向かう2本
のレイピアだが、「ケッ、そんな子供騙しの武器がこのデスハイデルに通用するもんか!」と余裕
を見せると、飛んできたレイピアを手で撥ね退けてしまった。普通ならこれであらぬ方向へ飛んで
いくのだが、ここからが見事なもので、まるで自ら意思を持つように再びデスハイデルへ向け飛ん
できたのだ。これを繰り返す事数回、数倍にパワーアップした動きも段々と元の速さへと戻ってい
く。
「エレクトロン・ブレード!」あきらがナイト・アップしたラハミエルヴァニーが、大型の聖剣で
あるエンジェルブレードでの雷撃を仕掛けるべく、エネルギーをチャージしていたが、そのエネル
ギーを溜め終えてこう叫んだ。既に帯電しているブレードからは小さな雷電が発生している。他の
2人の剣と比べると少し大型の剣だが、パワーははるかに大きく、圧倒されそうである。「シュー
ティング・サンダー!」やがてラハミエルが一気にデスハイデルの胸元をグサリと刺す。何せ大型
の剣なので一気にデスハイデルの体を貫通、「アギャーッ!」断末魔の如く悲鳴を上げるデスハイ
デル。
一気にダメージを与えたところでいよいよとどめの必殺技が登場。「トライアングル・フォーメー
ション!」3人がデスハイデルを囲む三角形の陣形を組み、後ろに位置したアリエスが助走を付け
る。前に位置したラビエル・ラハミエルが両手で踏み台を作りその上にアリエスが乗ると、その踏
み台は斜め上に押し上げられ、アリエスは一気に敵方向へ。
「ディメンション・ファイヤー!」縦横斜めと立体的な斬り方でデスハイデルを一気に斬り裂くア
リエス。「ギャーッ!」こうなるともはやデスハイデルもこれまで。断末魔の悲鳴を上げるが如く
敗れ去るのみである。やがて体内エネルギーが暴発して爆死の運命を辿っていった。

こうして神に選ばれた騎士団・ヴァニーナイツの最初の戦いは終わった。「終わったわね・・・。
そしてこれからが始まりなのか・・・。」仮面を脱いだありすは一戦終えてこうつぶやいた。同じ
ようにあいりも「こうして見ると、恐ろしい敵ばかりなのかと思うと、かえって不安が出てこない
とも限らないし・・・。」と少し心配そう。「そんな事はないわ。ほら言うじゃない「3人寄れば
文殊の知恵」って。3人が力を合わせればどんな敵だって今日みたいに楽に倒せるわよ。」とあき
らはあいりの心配を一蹴した。「さっすが〜、そこまで考えてるとは! あたしなんかそこまで手
が回らなくって・・・。」とありすはあきらの考えを誉めた。
「そういえば、和幸さんは?」ふと思い出したありすは神社の鳥居へ駆けて行く。しかしいるはず
の和幸の姿はない。「もう遅くなったから、先に帰ったんじゃない?」あいりは和幸が既に家に帰
ったと思っているようだ。「そうかな? もしかしたら用事の続きをしてたりしてね・・・」あき
らは残った用事を片付けていると考えているようだ。「うーん、とりあえず愛美ちゃんが待ってい
るかもしれないから、ここは一先ず帰りますか。2人を紹介しておく必要もあるしね。」「うん、
そこまでありすさんが言うなら仕方ないか。」「そうですね。」ありすの提案に他の2人も同調し
て、3人は一先ず藤田家へ行く事にした。
「ただいま〜」「あらっありすちゃんお帰りなさい。」藤田家で出迎えたのは妹の愛美であった。
「和幸さんは?」ありすが早速和幸の居所を訊く。「お兄ちゃんなら、つい今しがたお風呂に入っ
たところよ。そうね、1時間前に帰ってきて夕飯を作ってくれたわ。ありすちゃんの分も残ってる
から一緒に食べない?」どうやら和幸はありす達がデスハイデルとの戦闘を始めた頃に既に家に帰
っていたようだ。「あのね愛美ちゃん、実はもう2人増える事になりそうで・・・。」とありすは
玄関で待っていたあいりとあきらの2人を愛美に紹介した。「あらっ、ありすちゃんの友達?」
「うん、そんなところかな? で、2人も今日からここで住まわせてもらえないかと・・・。」あ
りすはどうやらあいりとあきらもこの藤田家に住まわせたいようだ。「えっ、そんな話聞いてない
わよ〜」「そこまでしなくても」2人は突然の提案にびっくり。「いいじゃない、この際3人一緒
に暮らした方が何かと便利だし。」「そりゃそうだけど・・・。」「じゃ決まりね。3人揃ってお
世話になりますけど、よろしくお願いします!」すると愛美は「うーん、あたしはいいけどお兄ち
ゃんがねぇ・・・。」すると和幸が風呂から上がってきた。「おい、遅いじゃないか!」「そうい
う和幸さんだって、何で先に帰っちゃうの!」「まあまあお兄ちゃんもありすちゃんも・・・。」
「ん、見慣れない顔だな。」「実はねえお兄ちゃん・・・。」愛美が事の事情を和幸に説明する。
「ま、大きい家に少ない人数よりは人が多い方が何かと便利かもな。よしっ、3人ぐらいなら俺だ
って面倒みれるから引き受けようじゃないか。」あっさりと承知する和幸。こうして3人は藤田家
に居候として住む事になった。
その夜、ありす達3人は和幸が作った手料理で夕飯を取った。今まで愛美相手に作ってきた和幸に
とって、批評される相手が増える訳だが、案の定3人からの辛口の批評を浴びる事になった。
ともあれ、ありす達3人を迎えた藤田家の新しい生活が始まったのだが、翌日更にもう1人増える
事になるのを和幸はまだ知らない。それは両親の離婚で離れ離れになっていたあきらの姉・あずさ
であった・・・。                            (第1話  完)

一時中断はあったが、ようやく第1話終了である。2話では浅木あきらの生き別れの姉・あずさと
の再会が待ち受けている。どんな話にしようか、楽しみにしてほしい。 (一先ずこの稿終わり)

※千年王国三銃士ヴァニーナイツについての参考ページ
◇「うちだの世界」内のヴァニーナイツについての解説ページ
http://www.asahi-net.or.jp/~ki2s-ucd/tokusatsu/vanny.html
◇「ヒーローのあしあと」
http://www005.upp.so-net.ne.jp/a_matsu/Ashi.HTM
(ヴァニーナイツについては、「ヒロインワールド」ページから解説あり)
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