ＴＶを語る

何故か今無性に懐かしむ昭和末期の歌謡音楽祭

（某ＴＶ系掲示板への書きこみを基に書き下ろし）

深夜番組からゴールデンに進出したフジ「トリビアの泉」が大ヒットだが、ここでもその感覚で私が
知っているムダ知識の１つをご披露しよう。それは昭和末期の歌謡音楽祭のラインナップである。
当時は１５本もの音楽祭が行われており、いわゆる「新人賞レース」花盛り（ＩＤＯＬ的には
「歌手デビュー」がＩＤＯＬの基本だった頃）だった頃でもあった。
以下に１５本を列記しておくが、多少うろ覚えの点はご勘弁願いたい。
１．メガロポリス歌謡祭（８０年ごろ、ＴＸがＴＶＯ・ＴＶＡ・ラジオたんぱと共催（日経新聞後援）
してスタート、後にＴＳＣ・ＴＶｈも加わる（残念ながらＴＶＱは加われなかった様だ）。全音楽祭の
開幕を告げる一戦で、開幕当時は新人・ポップス・演歌の３部門、後に新人・一般に再編。新人賞は
入賞の「優秀新人エメラルド賞」最高位の「最優秀新人ダイヤモンド賞」の２本立てだったのが、
後に「優秀新人賞」「最優秀新人賞」に落ち着く）（ＧＩＩ）
２．上半期全日本有線放送大賞（ＹＴＶと大阪有線放送社（今の有線ブロードネットワークス）が組織
する全日本有線放送連盟共催。後に「オールジャパンリクエストアワード」に改編されるこの音楽祭
も、当時は年間大賞の他に上半期分の大賞が行われていた）（ＧＩＩＩ）
３．ＫＢＣ新人歌謡音楽祭（ほっかいどうレコード新人祭（ＨＢＣ主催）ローソンフレッシュスター
フェスティバル（ＯＢＣ主催）と並ぶ準キー局主催の新人専門の歌謡音楽祭の１つ、出場歌手を全国の
ラジオ局のプロデューサーからの投票で選んでいた）（ＧＩＩＩ）
４．ヤング歌謡大賞新人グランプリ（ＡＢＣ主催の新人専門の歌謡音楽祭。前身をＡＢＣ歌謡新人グラ
ンプリ、後に「大阪２１世紀計画」の一環として「２１世紀ヤング歌謡大賞新人グランプリ」となり、
更に２１世紀が取れ、最後は「歌謡ゴールデン大賞新人グランプリ」となった。末期には一般歌手も
対象となった）（ＧＩＩ）
５．日本テレビ音楽祭（そのまんま日テレ主催の音楽祭。新人賞の他に２年目を対象とした「金の鳩賞」
が設定されていた）（ＧＩＩ）
６．銀座音楽祭（ＬＦ（まだ有楽町にあった頃）と大銀座祭り実行委員会共催の新人専門の音楽祭。
当初はジャンル不問だったが、後に歌謡曲・演歌部門とフォーク・ロック部門に再編された）（ＧＩＩＩ）
７．新宿音楽祭（ＱＲと新宿副都心ＰＲ委員会共催の新人専門の音楽祭。かつては最高位の金賞受賞者は
スイスのサンレモ音楽祭に日本代表として招待された事もあった。）（ＧＩＩＩ）（参考までに、銀座・
新宿の両音楽祭は、かつてフジでもＴＶ放映された事があったそうな）
８．横浜音楽祭（一応ＲＦ主催（こちらで調べたところでは、かつてはＴＶＫと共催していたとか）の
新人専門の音楽祭。銀座・新宿・横浜をまとめて「３大新人音楽祭」と呼んでいたこともあった）
（ＧＩＩＩ）
９．全日本歌謡音楽祭（ＡＮＢ・ＡＮＮ系列局主催、朝日新聞社後援。当初は視聴者からの投票で決定
していた事から「あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭」として開催されていた。後に審査員形式に移行）
（ＧＩＩ）
１０．日本歌謡大賞（後述のレコード大賞に対抗して、ＴＢＳを除く在京ＴＶ４局（ＮＴＶ・ＣＸ・
ＡＮＢ・ＴＸ）とＴＢＳを除く関東ＡＭ３局（ＱＲ・ＬＦ・ＲＦ）とＦＭ東京（今のＴＯＫＹＯ　ＦＭ）
で組織された「放送音楽プロデューサー連盟」主催、ＴＶ中継を４局持ち回りで、ＡＭでも３局同時中継
で放送していた）（ＧＩ）
１１．全日本有線放送大賞（ＹＴＶと大阪有線放送社（今の有線ブロードネットワークス）が組織する
全日本有線放送連盟共催。当時司会を務めていた宮田　輝（故人）が「夜のレコード大賞」と称し、
有名となった。また浜村　純の名司会ぶりも話題となった。大阪有線放送社が有線ブロードネットワーク
スに改称したのを期に「オールジャパンリクエストアワード」に改編、現存する数少ない音楽祭である）
（ＧＩＩ）
１２．日本有線大賞（ＴＢＳと第２の有線放送であるＣＡＮシステムが組織する全国有線音楽放送協会共
催。オールジャパンと併せ現存する「２大有線音楽祭」の１つ）（ＧＩＩＩ）
１３．ＦＮＳ歌謡祭（フジテレビと系列局組織・フジネットワークの主催、日本レコード協会と音楽プロ
ダクションの集まりである音楽事業者協会の後援による歌謡音楽祭。）（ＧＩＩ）
１４．ライオン・リスナーズアワード（ＴＯＫＹＯ　ＦＭがまだＦＭ東京だった頃の主催、ライオン協賛
によるリスナー投票による新人専門の音楽祭。あのドリカムも受賞した事がある。のちに系列局組織・
ＪＦＮ主催の「ＪＦＮリスナーズアワード」に改編）（ＧＩＩＩ）
１５．日本レコード大賞（日本作曲家協会とＴＢＳの共催、現存する最古の音楽祭で、その年の歌謡界の
総決算イベントの１つ（紅白、年忘れにっぽんの歌と並ぶ大晦日のビックイベント）である）（ＧＩ）
※末尾のグレードは、昭和末期に新人賞の集計を行った際に個人的に付けたものである。

これらの音楽祭は、平成に入ると「ジャンルの多様化」などを理由に続々と廃止され、本文でも触れた通
り現在では「オールジャパンリクエストアワード」「日本有線大賞」「日本レコード大賞」の３つだけが
現存している。

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